海サクラマス 考察
皆様、明けましておめでとうございます。
新年もよろしくお願い致します。
時は走りのサクラマスシーズン開幕
Instaやツイッターで釣果報告があったため、道南方面で挑戦するも釣れず。12月末という走りの時期に、数年前では考えられないアングラーの方がサクラマスを狙ってましたね。(かくいう自分もですが。。。)
昨今の海サクラマスの爆発的な人気は凄まじいものがあります。数年前のショアブリブームを物ともしない人気の上りようです。
それは各メーカーさんや個人ビルダーさんから、専用ロッドや専用ルアーやカラーなどが発売されていることからも明らかで、有名メーカーが商業的価値を見出していると言えます。
これほどルアー釣りが発達した近年において、様々な釣りの総結集した様な専用ロッドやルアーが出ているのに、中々ヒットに持ち込めない方や、ベテランのアングラーさんも多いのではないでしょうか。
サクラマスの生態を理解する
これを理解し、釣りに生かす事が、必ずしも釣果に影響するとは言えませんが、釣りの醍醐味の一つだと考えています。
中々釣れず悩む方の一助になれば幸いです。私も釣れない時は有名YouTuberさんやブログを見漁り(笑)ヒットパターンやルアーなどをしらみつぶしに見てました。
また、サクラマスの保全の意味も兼ねて、サクラマスの生態について発信していきたいと思います。
① 海サクラマスとは
山女魚の降海型=海サクラ。山女魚とサクラマスは生物学的に同種。
山女魚は以下の3つに分けられる。
・河川残留型
・湖沼型
・降海型
河川で孵化した多数の雌山女魚と少数の雄が降海し、河川に残留する山女魚は多数が雄である。
体の小さく弱い雌の山女魚は、餌を十分に捕食できないため降海するという説が有力である。
我々北海道のアングラーは、河川でのサケ・マス釣りは規制されており釣ることができない。狙う事ができるのは、降海型の海サクラと、洞爺湖や支笏湖などが代表とされる湖沼型サクラマスだ。
② 海サクラマスの回遊ルート
山女魚は1年半かけて、10㎝程度に河川で成長し、スモルト化してから降海する。
4~6月に降海後、急速に北上しオホーツク海で越夏する。秋に南下し、主に津軽海峡~太平洋近辺で越冬する。
約1年半を川で成長に費やし、1年かけて海で成長し、半年かけて川へ遡上し産卵するのが海サクラマスの一生である。
12月~1月の越冬時期のサクラマスは、成長過程にあるサクラマスを狙っていることを理解しよう。
走りのサクラを乱獲することは、最盛期のモンスターサクラマスの釣果を減少させることになる。
昨今の砂防建設やダム湖の開発などによる自然破壊に伴うサクラマス資源の減少には一人のアングラーではどうにもならないが、魚をリリースすることはできる。楽しいサクラマスフィッシングを長く楽しめるように、必要量以上のキープはしないようにしたい。
さけ・ます資源管理センターニュース No. 14 2005 年 3 月
北海道の河川に放流された標識サクラマスの海洋における回遊生態
で明らかにされているが、遺伝的にサイズが違う事が示唆されている。
主に、津軽海峡~日本海側の強い海流を抜ける必要があるサクラマスはサイズが大きくなる傾向がある。道南地区がメッカと呼ばれる所以はこれである。
③海サクラマスの嗅覚、視覚
サケ科魚類の母川回帰機構:視 覚 と嗅覚の役割*1
上 田 宏*2(北 海道大学水産学部),帰 山 雅 秀*3(北 海道さけ ・ますふ化場),
栗 原 堅 三*4(北 海道大学薬学部),山 内 晧 平*5(北 海道大学水産学https://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan1932/62/1/62_1_138/_pdf/-char/ja
水産上重要な通し回遊魚, サケ・マスの視覚メカニズムとその資源生物学的意味
長谷川 英 一https://www.jstage.jst.go.jp/article/hikakuseiriseika/25/4/25_4_156/_pdf/-char/ja
サクラマスは嗅覚で河川を判断している。
湖沼型のサクラマスでの調査であるが、嗅覚や視覚をなくしたサクラマスの回帰率を調査した文献がある。
結果、嗅覚を削いだサクラマスの回帰率が大きく落ちたという。
サクラマスは河川の匂いを嗅ぎ分け、母川を探している可能性がある。河口域に接近し、母川でなければ再度北上していき母川を探す、という様な行動をしていると考えられる。
サクラマスの視覚
ダイバーが海中で写真を撮影する際、赤いフィルターを取り付けている。
これは、赤色の波長は海の表層で吸収され、深場に行けば行くほど青くなるためである。
サクラマスの視運動反応率を計算されており、カラフトマスとサクラマスのおける極大反応値を示している。
そのカラーは黄緑&紫であった。この研究結果がルアー選択の参考になると思われる。
サクラマスは表層を回遊する魚でもあり、赤系や黄色系を認識しやすい魚であるため、やる気のあるサクラマスを探す際や、濁りが強い際は選択してみてもよいかもしれませんね。しかし、捕食しているのは地域にもよりますがオオナゴやチカ、カタクチなどが主体であり、視認性の高いルアーを使い続ける事が必ずしも釣果に影響するとは言えないと思われます。
ここまで駄文長文読んでいただきありがとうございます。
次はルアーの話しでもしようかと思います。
皆さんの釣果に影響できたら幸いです。
来年、再来年の魚のためにも取りすぎは控えていきましょう。